飢えた子羊

中国の明朝末期（西暦1632年）、盗賊良と仲間は人買いからの依頼を受け、4人の少女を「華州」から「洛陽」まで運ぶことになります。
最初に、良は少女たちが裕福な家庭に養女として売られたとばかり思っていた。
だが途中で「穂」という少女から護送に関する「真実」を知らされてしまいます。
少女たちを買ったのは、なんと、千年の修行を積んだ「豚妖」でした。
小娘を食らうことに、悦楽を感じる豚妖は、自分の誕生日を祝うたびに人買いを命じて陝「シャーン」から小娘を捜し集めては食っており、穂の姉もその犠牲になったといいます。
穂は良に護送することを諦めてもらって、彼女と一緒に豚妖を暗殺に協力し、命が落とされた姉と少女たちの復讐をを討つことを望んでいる。
しかし良は穂の言葉を鵜呑みにはできず、彼女には多くの秘密が隠されているように感じました。
旅が進むにつれて、良は情報を集め、真実を見つけ、そして決断することになります。

歴史的な背景

物語が背景とする中国の明朝末期は、中国の崇禎元年から崇禎14年までの時代です。
物語の舞台は主に中国陝西省、山西省、中原です。
当時、土地併合問題が深刻で、国内の戦争が続きがあるだけではなく、国外からの侵略も防ぐ必要もあります。しかも災害の多い小氷河時代にあって、毎年のように飢饉が起こり、国民は泥に酔った鮒のように苦しんでいます。
長年の大災害が続いた後、朝廷の過酷な統治は変わらず、餓死者が続出し、飢饉と反乱が各地で起きました。